「たとえそれが楽しい時間だとしても、他人と話したり、一緒に過ごすとひどく疲れる。」
「一人きりになってエネルギーを充電する日が、定期的に必要だ。」
「人前に出て何かを発言しなければいけない時に、頭が混乱して空っぽになる。」
「普段はおしゃべりでは無いが、自分の好きな分野に関しては相手を驚かせる程、しゃべりまくってしまう。」
もしもこの答えがイエスなら…あなたも内向型人間かもしれません。
photo by Kamil Porembiński
【内向型人間な私の過去】グループ遊びが苦痛だった幼少期
私は思春期の頃から「自分はどうやら他人と違うらしい」と気づき、次第に性格が暗くおとなしくなっていきました。
とにかく、他人と関ると、ひどく疲れるんです。
休み時間になると、一目散に机を離れ、ドッジボールをしに行くクラスメイト達。
新学期の初めの頃は、彼らが私を誘ってくれる事はあったし、私も勢いに押された事と、誘ってもらえた高揚感で、やんわりと参加していました。
でも日を追うごとに、その誘いが億劫になっていくんです。
「この子達の事は好きだけど、毎日遊ぶのは無理だ…」と。
そうやって、自然と私はアクティブなグループから離れていきました。
【内向型人間の悩み】私の頭はおかしいの?

photo by Erin Kelly
「クラスの皆は普通に良い子だし、先生だって『お友達と仲良く遊びましょう』ってよく言うし。楽しい時もあるけど、それがずっと続かない。どうしてなの?私は一人で本を読んだり、気が済むまでゲームに没頭したり、ぼーっとするの時間も好き。私はどこかおかしいのかな…?」
気づけばこんな考えが、私の頭を占領する様になりました。
そしてこの現象は、社会人になっても続きました。
職場の同僚とのコミュニケーション。クライアントとの打ち合わせ。大勢の友人とのバーベキュー。果ては、レストランの店員さんと話す事にまで、消耗してしまう事もしょっちゅう。
伝えたい事、表現したい事があるのに上手く話せない。
たくさんの人、特に初対面の人に囲まれると、頭の動き鈍くなる。
休日は、ただただ疲れてしまって寝てばかり。
周囲と比べて明らかに気力が足りていない自分に、疑問を持ちました。
基本的に、生きていくには他人との関わりは不可欠です。だからこの症状を一刻も早く治したかったのに、原因がわかりませんでした。
「頭がおかしい」のだと本格的に悩み、心療内科も受診しました。
鬱に効くという薬を先生からもらった時、涙が流れました。
「なんでこんなことに、なっちゃんたんだろう…?」
暗い井戸に落とされて、這い上がる方法も、助けてくれる人もいない絶望感に襲われる毎日。薬を飲んでも一時的な精神安定感しか感じられず、精神薬というケミカルな解決策に、心が余計に病んでいきました。
しかし、ある日偶然出会った一冊の本が、私の人生に光を照らし、暗闇人生を一変させる事になるんです!!!
同じ悩みを持つあなたに読んでもらいたい名著!「内向型人間の時代(スーザン・ケイン著)」
私が手に取ったその本 ー内向型人間の時代ー(スーザン・ケイン著)によると、人間はざっくりと、外交型と内向型の2種類に分けられるそうなのです。
その内向型人間の特徴とは、
- グループよりも一対一の会話を好む
- 文章の方が自分を表現しやすい事が多い
- 一人でいる時間を楽しめる
- 周りの人に比べて、他人の財産や名声や地位にそれほど興味が無いようだ
- 聞き上手だと言われる
- 大きなリスクは冒さない
- 邪魔されずに没頭出来る仕事が好きだ
- 他人と衝突するのは嫌いだ
- 考えてから話す傾向がある
- 外出して活動した後は、たとえそれが楽しい体験であっても、消耗したと感じる
- 忙しすぎる週末より、何もする事が無い週末を選ぶ
- 一度に複数の事をするのは楽しめない
これらに多く該当する人は「内向型人間」の傾向が強く、著書には私と同じ悩みを持つ人について記載されていました。つまり、私がこれまでの人生で感じていた苦しい気持ちは、ただの性質によるものだった、と言うのです。
ちなみに、対する「外交型人間」の特徴をいくつか挙げると
- 単調だと飽きてしまう
- 知らない人とのおしゃべりも楽しめる
- 大勢の知り合いがいる
- 友達が多い
- 何か活動すると気分が上がる。もっとしたいと思う。
などなど。まさに「休み時間のドッジボールが楽しみで仕方無い」グループの子たちなんですよね。
内向型人間の「強み」と「特徴」

photo by greg westfall
一説によると、ガンジーやビルゲイツ、アインシュタイン、バラク・オバマも内向型人間なのだとか。
内向型である事は、他人と比べて劣っているとか、のろまだとかいう訳じゃ無いのです。
シャイでマイペース、他人と歩幅を合わせる事が苦手な内向型のリズムは、単なる「個性」であり、それどころか優れた才能も持ち合わせています。
ここで、内向型人間の強みと、特徴を挙げてみましょう。
- 感受性が強い
- 考える事が好き
- アイディアや想像力がある
- 得意な分野に関する集中力や知識に長けている
- 狭く、深い人間関係を好む
- 準備期間を設けられているプロジェクトでは、特に成果を発揮する
- 一人の時間を楽しめる
etc…
一般的に内向型人間は消極的で、自己評価が低い傾向にあるそう。ですから、これらの事を言われてもピンと来ないかもしれません。
でも、どうでしょうか?街を歩いている時、好きな事をしている時…あなたの脳や感受性は、どのように動いていましたか?
これまで他人から、どのような事で褒められましたか?
注意深く思い出してみてください。
世界の75%は、楽天的で活発な「外交型人間」で出来ている!
現在の統計では、世界の人口の75%は外交型人間で、残りの25%が内向型人間だそうです。
(「内向型を強みにする」 マーティ・O・レイニー著 より)
そして残念な事に、現代の学校教育や社会は、他人と上手くやっていける事・快活な挨拶や返事・コミュニケーション能力の高さ等、外交型人間的資質を優位に評価してしまうシステムなのだそう。
「どうりで生きづらい訳だよ…。(ため息)」
「外交型人間の独壇場じゃないですか…。(ため息)」
会社にもいますよね!軽い世間話が得意で、面倒な上司と上手くやれる人。
「〇〇ちゃんのお洋服、今日もカワイイね〜。」など思って無い事を口にして、広く浅い交友関係を円滑に進める女子が!
内向型人間は感受性が強く、考えすぎてしまう傾向があるので、とっさの会話や適当な無駄話が苦手なのです。
外交型人間は、人との出会いやアクティブな活動によってエネルギーを得るので、浅くてライトな会話から、活力をチャージしている事さえあるのです。
反対に内向型人間は、これらの行動によりエネルギーを消耗しやすいので「なぜ自分以外の人々は、あんなに社交的なんだ…?」と疑問を持つわけなのです!
「強み」を活かして社会と折り合う。内向型人間の生き方とは?
では、そんな社会で私たち内向型人間が上手くやっていく為には、どうしたら良いのでしょうか
それには、以下の3つのステップが大切です。
1:自分を癒す事からスタート!
・責めない
→外交型的な世界に当てはまらない自分を落ちこぼれだと責めるのは、もう今日で止めにしましょう。世間の75%は外交型人間です。少数派ながら、今まで頑張ってきた自分を褒めましょう!
(よく頑張りました^^)
・充電の時間を必ず確保しましょう!
→自分がリラックス出来るスペースで、気力・体力を回復をする時間を定期的に設けましょう。充電さえ出来れば、内向型の強みを生かしながら、エネルギッシュに働く事が可能です。
2:世間と折り合う
・外交型の才能を認める
→チームや会社など、全体が上手く機能する為には、外交型・内向型両方の力が必要です。
自分と違う才能も、認めましょう!
・準備期間を設ける
→内向型人間は、突然の出来事への対応が苦手です。プレゼンや会議の前は特に、準備期間を設けましょう。
周囲に「自分は、突然の出来事に対応する事がちょっと苦手です。」と、宣言しておくのも良い手です。「でも〇〇の分野は得意だから、力になれます。」と付け加えるとさらに良いかもしれません!
3:環境を変えてみる
・広く浅い社交の時間を減らす
→周囲に合わせていた予定を減らす事も、良い方法です。自分一人の時間や、親しい間柄の人物とゆっくり過ごす時間に切り替えてみましょう。
・部署を変えてもらう
→担当する部署の業務内容が、あまりにも自分の性格に合わない場合、担当部署の移動を希望するのも良いでしょう。かえってその方が効率的に働けるかもしれません!
・思い切って職業を変える
→内向型人間は、ライター・トラック運転手・司書・ウエブデザイナー等、ある程度自分の時間を確保出来る職業に就く事も多いのだそうです。
かくいう私も、アパレル営業から、ファッション系ウエブサイトの編集者へと転向した一人です。
華やかなパーティで繰り広げられる広く浅い会話や、適当な食事の約束(挨拶代わり)ともオサラバ!
かつての職場では、とっさに機転を利かせる能力や、業界内の知り合いの多さが要求されていました。私はその世界に馴染もうとばかりしていましたが、焦って下手な事を言ってしまったりと、ミスばかり。自分はダメなんだと落ち込む毎日でした。
でも私が今向き合っているのは、ファッション通販サイトのパソコン画面。
トレンドに合わせた商品をピックアップしたり、ページビュー数とにらめっこする毎日の方が格段に快適です。
以前に比べて考える時間が確保されている仕事なので、ミスも減り、アイディアを褒められる事が増えました。以前と大きく変わったのは、自己の能力の表現方法です。私は服を対人間で売るよりも、パソコンを通じて売っていく方が楽で、得意だったのです。
まとめ。内向型人間の特徴を理解して、生きていく
この世には、外交的な社会との交流に傷つき消耗し、本来のパワーを発揮出来ていない、隠れ内向型人間がたくさんいると言われています。
(特に個性を排除しがちな日本には、そんな才能が隠れているはず!)
今回引用した本以外に、分かりやすいチェックリスト付きの本も出版されています。気軽に調べてみてください。
ミスを繰り返してしまったり、自分は出来ないやつだ!と思い込んでしまっていませんか?
世の中は生きづらく、苦しくて、まるで永遠に水中にいるみたいだと感じていませんか?
エラ呼吸が上手く出来ないのなら、ビーチまで上がれば良いんです。
視点を変えると、今まで見えてこなかった世界に出会えます。
今回改めて、ご自身が内向型人間だと気づいたら…ぜひそのユニークな才能を生かして、快適さと幸せを掴み取ってください。
もうこれ以上、不要に傷つく人が減りますように。
応援しています!